タイガービーイング(Tiger Being)社はこのほど、NFT(非代替性トークン)を会員権として活用した旅行クラブをアジアで初めて立ち上げることを明らかにした。
NFTとは、non-fungible token(非代替性トークン)の略語だ。非代替性というのは経済用語で、唯一無二の価値や性質があり、他のものと取り換えることができないことを意味する。
同社によると、バーチャルとリアル、両方の世界を融合しながら旅行も取り扱う計画。会員になると、ホテル、航空券、プライベートヨットなどの限定情報にアクセスできる。その際、メンバーであることを「NFTパス」で証明する仕組みだ。
タイガービーイングでは2022年3月31日から、4000点以上のNFTコレクションの前売りを開始予定。販売は、ソラナ(Solana)のブロックチェーン経由でおこなう。
会員は4月以降、自分のトークンを使って、決済をおこなったり、“資産運用”ができるようになる見込み。
タイガービーイングのNFTを所有すると、自動的に同クラブの会員として認められ、持っているトークンは「今後、様々な会員限定の体験に参加するための入場券」として利用できる。
具体的には、香港のトップクラスのホテル客室利用(会員向けに客室を長期間、確保している)や、プライベートヨットでのセーリング、旅行をテーマにしたパーティーなど。
タイガービーイングのトークンの中には、他よりも希少価値の高いレアなものもある。会員は、各種トークンを組み合わせて会員ステータスをアップグレードすると、より充実した特典が楽しめるようになる。
また、インスタントコミュニケーションツール「ディスコ―ド(Discord)」上にもコミュニティを作り、会員たちがそれぞれの旅行体験やライフスタイル全般をシェアする場に育てたい考え。
他の旅行事業者やスタートアップの間でも、NFTを活かした新しい試みが盛んになってきた。フォーカスワイヤが選んだ2022年注目スタートアップの一つ、トラバーラ(Travala)では今年1月、トークンをベースにした旅行リワード・プログラムを展開すると発表した。
同じく旅行リワードを手掛けるフライコイン(Flycoin)は先ごろ、3300万ドル以上をシードマネーとして投資する計画を発表。リンキー(Lynkey)は、ラグジュアリーホテルやリゾート旅行をデジタル化する事業に乗り出した。
ラトビアの航空会社、エア・バルティックでも、トークンの売買市場の一つ、オープンシー(Opensea)にて、9回目となるデジタルアートのNFTを発行した。
※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。
オリジナル記事:PRIVATE TRAVEL CLUB MEMBERSHIP NFT TIGER BEING LAUNCHES IN ASIA
著者:リンダ・フォックス氏