日本旅行は、2年ぶりとなる2023年度入社式を本社で実施した。今年度の新卒採用はグループ全体で45名。小谷野悦光社長は新入社員へのメッセージの中で、「ソリューション事業」と「ツーリズム事業」を両輪として、未来の社会に貢献できる企業へと「覚醒」していくと述べたうえで、新入社員に対して、「出る杭」になることを恐れず、一人ひとりが変化を起こしていくことを呼びかけた。
社長メッセージは以下のとおり。全文を掲載する。
新入社員の皆さん、入社おめでとうございます。本日この場に多くの新しい仲間を迎えることができ、大変嬉しく思います。
世の中においては、新型コロナウイルスの影響は徐々に収束に向かっており、人の往来や各地での行事やイベントが復活するなど、ようやく以前のような生活ができるようになってきました。皆さんは今日から社会人としての新たな人生がスタートします。そして自らの将来を日本旅行に託し、高い志と決意を持って本日を迎えられたことと思います。その思いをしっかりと受け止めるとともに、今後の皆さんの活躍を期待し、全社員・全役員・グループ社員を代表して私からお祝いのメッセージを送りたいと思います。
ご承知のとおり、新型コロナウイルスの世界的流行は、社会の在り方そのものを大きく変化させました。特に我々旅行業界においては、世界中の人々の移動が制限されるという、旅行業の根幹が大きく揺らぐ事態に直面しました。まさに未曽有の危機でありました。
日本旅行においても、「生き残り」をかけた様々な挑戦が続きました。大きな苦労や困難も沢山ありました。一方では今まで気付くことがなかった未来につながる「光」も見えてきました。これまで 117 年の長きに渡って「旅行業」で培ってきた、ホスピタリティや、ヒト・モノ・コトを一つの価値に まとめ上げるプロジェクトリーダーとしての役割を高く評価いただき、国や自治体によるワクチン接種事業や経済活性化事業など、旅行業の枠を超えた領域での事業を数多く取り扱うことができました。社会的に非常に大きな貢献を果たすことができたこの経験は、日本旅行にとって未来につながる大きな財産になりました。まさにパーパス経営の実践そのものと言っても過言ではありません。コロナによるダメージが非常に大きかった反面、数々の点で、コロナ禍だからこそ気づけたことや、新しい領域に取り組めたことは日本旅行、日本旅行グループにとって大きな 財産となりました。
そのような中、日本旅行は旅行代理店業からソリューション企業としての変革を加速させています。この行動変革は旅行業を未来に向かって力強く前進させる行動の一つと考えており、大きく2つの事業に分けて推進しています。
まずは「ソリューション事業」ですが、SDGsやDXをはじめとする顧客や地域の抱える社会課題へ挑み、その課題を解決するためのトータルコーディネートを行います。親会社のJR西日本をはじめ、多くのアライアンスパートナーと共創することで新しいシナジーを発揮し、より良い未来の実現に向け、顧客 や地域が求める価値を実現していきます。特にJR西日本グループの一員として新たな価値創造の役割について大きな期待が寄せられているところです。
また、日本旅行の基盤である「ツーリズム事業」においては、JRセットプランをベースにDXを駆使して、旅行だけで終わらない新しい顧客体験を提供していきます。挑戦を続ける「ソリューション事業」と「ツーリズム事業」は目指す姿の実現に向けた、まさに当社の両輪であり、これらを連携させていくことで、未来の社会に貢献できる企業へと「覚醒」していきます。
全国旅行支援による国内旅行の増加や訪日客の急回復など、旅行需要は確実に戻ってきていますが、コロナ禍において垂直上昇的に V字回復を実現した当社が単に元に戻るのか、あるいはコロナ禍の経験をもとに新たな価値創造を続けていけるか、これは現在及び今後の我々の取組にかかっており、新入社員の皆さんの協力も不可欠となります。
皆さんは、まさに会社が大きく変化する歴史的な大転換期に入社された訳ですが、むしろ、こうした時期に入社された事をチャンスと思っていただきたいと思います。新しいことにチャレンジするのは、先輩社員も新入社員も関係ありません。既成概念にとらわれない柔軟な発想と行動力、そして若い感性で、将来を切り拓く中心的な存在となっていただきたいと考えています。当社の行動規範にある通り『出る杭』となることを恐れず」、一人ひとりが変化を起こしていくことが日本旅行全体の変革につながります。
そのための第一歩として、この入社式後に、皆さんには3か月に渡る研修を受けていただきます。我々の色々な思いが凝縮している研修で、これほどの長期の研修は日本旅行では初の試みです。「旅行業のプロフェッショナル」としての基礎を築いていただく研修と合わせ、DXに関してもかなり 踏み込んだ内容のプログラムを用意しています。合わせて、社会人としての心構えや、当社及び当社を支えるグループ会社の業務についてもしっかり学んでいただきたいと思います。皆さんは同期入社となりますので、この研修を通じて大いに親交を深めていただきたいと思います。通じて大いに親交を深めていただきたいと思います。
研修後はそれぞれの箇所に配属されることになりますが、強く意識してほしいことが一つあります。それは『ルールを守る』ということです。ルールに沿った行動をすることは、日本旅行の最重点取組である「営業コンプライアンス」にも通じます。コンプライアンスは会社が様 々な事業を行う上での前提条件となりますので、ルールに沿った行動を今のうちから心掛けてください。分からないこと、自分では判断が難しいことは、遠慮せずに周りの人や先輩、上司に聞いてください。
結びになりますが、皆さんにとって今年は学生から、社会人となる人生の中でも大きな節目の年だと思います。柔軟な発想、そして前向きな決意を持つ皆さんとともに、新たな価値の創造と新生日本旅行の確立に一緒にチャレンジして行きたいと思います。