エクスペディア、3ブランドの共通会員プログラムを開始、チャットGPTで顧客体験向上へ【外電】

米エクスペディア・グループの2023年第1四半期の売上高は、前年同期比18%増の27億ドル(約3645億円)となり、四半期としては過去最高を記録した。予約総額も同20%増の294億ドル(約4兆円)。特に宿泊予約は211億ドル(約2.8兆円)と過去最高となった。

同グループのピーター・カーンCEOは決算発表で「インフレや景気後退の懸念、最近米国で起きている銀行システムに対する不安があるにも関わらず、パンデミック後の旅行需要は引き続き強い」との見解を示している。

同グループは現在、エクスペディア(Expedia)、ホテルズ・ドットコム(Hotels.com)、バーボ(Vrbo)を3大ブランドと位置付け、ロイヤリティプログラムとアプリのアップグレードを強化している。ロイヤリティプログラムのアクティブユーザーは前年比で25%以上増加。また、アプリ上での予約の割合は2019年の約2倍になった。

今年7月からは、新たな3大ブランド共通ロイヤリティプログラム「One Key」を米国で開始する予定。将来的にはグローバル展開を見据えている。

カーンCEOは、その狙いの一つとして「これまでロイヤリティプログラムの対象でなかったバーボ(バケーションレンタル:一棟貸し民泊)の顧客を囲い込むこと」と明かす。このプログラムでは、エクスペディアとホテルズ・ドットコムで獲得したポイントをバーボでのバケーションレンタル予約に使うこともできる。

同時に、同グループはAIを活用した顧客サービスの向上にも力を入れている。チャットGPT(ChatGPT)向けのプラグインを立ち上げ、iOSアプリではChatGPTを統合した。カーンCEOは「AIと機械学習を製品の隅々まで展開することで、顧客体験を向上させ、真のパーソナライゼーションを進めていく」と話す。AIを活用したサービスとして、価格予想や比較ショッピングなどが可能になるという。

カーンCEOは「AIベースの言語モデルが旅行の購買にどれほど影響力があるのかまだ分からないが、今後も新しいテクノロジーを会員やパートナーに迅速に提供していく」と話している。

※ドル円換算は1ドル135円でトラベルボイス編集部が算出

※この記事は、世界的な旅行調査フォーカスライト社が運営するニュースメディア「フォーカスワイヤ(PhocusWire)」から届いた英文記事を、同社との提携に基づいて、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集したものです。

オリジナル記事:EXPEDIA GROUP EMBRACES AI, BANKS ON LOYALTY PROGRAM

みんなのVOICEこの記事を読んで思った意見や感想を書いてください。

観光産業ニュース「トラベルボイス」編集部から届く

一歩先の未来がみえるメルマガ「今日のヘッドライン」 、もうご登録済みですよね?

もし未だ登録していないなら…