日本政府観光局、インバウンドで地方誘客を強化、アジア市場ではOTAとの共同広告、「万博+観光」ではサステナブル観光を訴求

日本政府観光局(JNTO)は、訪日外国人客の地方誘客の施策をさらに強化する。順調にインバウンド需要が回復しているものの、宿泊数は東京が突出して多い状況。東京では2023年1月~10月の実績で2019年同期比140%とコロナ前を超えている一方、回復が遅れている地域が多い。

訪日客を国別で見ると、シンガポール、米国、カナダ、ドイツが2019年を上回っているが、他国・地域はコロナ前のレベルには遠い現状となっている。JNTOは、このほど記者説明会を実施し、理事の中山理映子氏が「インバウンドの回復に伴って、地方泊も戻っている。課題は東アジアの戻り」との認識を示した。カギは東アジアから地方へのLCCを含めた直行便の復便と分析している。

アジア市場ではターゲット絞り、OTAと共同広告

2020年度から実施している「アジアにおける大規模キャンペーン」については、10市場の訪日回数2~5回程度のライトリピーターをターゲットに、OTAと連携した取り組みを強化することで地方への誘客を進めていく。

主要OTAの特設ページで、市場ごとの送客強化地域を設定し、販売を促進。中国大手OTAシートリップ(Ctrip.com)では中国市場向けに瀬戸内と四国を訴求。また、トリップ・ドットコム(Trip.com)では韓国市場向けに関西と山陰、タイ市場には東北、インドネシア市場には関東の販売を強化する。一方、エクスペディア(Expedia.com)では、香港市場向けに瀬戸内と四国、台湾市場に中部、シンガポール市場に沖縄、マレーシア市場に九州、ベトナム市場に北海道、フィリピン市場に関西と山陰をそれぞれ送客強化地域に分類した。

地域分けについては、広域DMOの重点市場やJNTO海外事務所の訴求希望エリアを勘案したほか、オーバーツーリズム対策として、宿泊統計で上位の地域を除外した。

それぞれ、市場ごとに掲載写真や商品を工夫。エクスペディアでは昨年12月8日から、トリップ・ドットコムでは今年1月24日から2月末まで展開する。同時に、メディアやインフルエンサーを送客強化地域に招聘し、OTAキャンペーンと連動した取り組みも進めてきた。

「万博+観光」では日本各地のサステナブル・ツーリズムと連動

また、2025年の大阪・関西万博に向けた「万博+観光」の推進でも地方誘客と交流人口の拡大を目指す。調査の結果、過去の万博開催国及び開催候補国で関心が高い傾向があることから、主なターゲットは中国、イタリア、ドイツ、UAEを含む中東地域に設定。さらに、過去の日本での万博開催時にアジア圏からの来場者が多かったことから、短距離市場でのプロモーションも重視する考えだ。

キーメッセージは、万博メインテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」と連動した日本各地のサステナブル・ツーリズムとする。

昨年11月には特設ウェブページを開設。今後は、観光スポットを紹介するとともに、モデルコースも案内していく。

北陸の観光復興は現地のニーズを踏まえて

なお、JNTOは、能登半島地震発生後のインバウンド対応についても説明。発生直後からチャットボットで情報提供を行ったほか、Japan Visitor Hotlineでは電話回線を増設。XやWeiboの公式アカウントでは鉄道や航空など情報を投稿した。中山氏は、今後について「被災地以外の北陸については、現地の意向も踏まえつつ、プロモーションを続けていく」考えを示した。

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