観光庁の補正予算2024、総額543億円を計上、高付加価値化、オーバーツーリズム対策、インバウンド地方誘客など

令和6年度(2024年度)の観光庁関係補正予算が閣議決定された。観光庁は543億円を計上。その内訳は、「観光地・観光産業の再生・高付加価値化」に300億円、「オーバーツーリズム対策等の受入環境整備」に158億円、「地方誘客促進によるインバウンド拡大」に80億円、「能登半島地震の観光再生支援」に5億円となる。

宿泊事業者再生アクションプランを策定

「観光地・観光産業の再生・高付加価値化」では、「観光産業再生促進事業」を推進。債務を抱えつつも再生能力があると見込まれる宿泊事業者に対して、宿泊業に特化した事業再生のアクションプラン(原価計算に基づくサービス水準の決定、従業員の活用方法など)を策定。選定された宿泊事業者が再生を図る上で必要となるシステム、備品および設備の改善費用を支援する。

また、「宿泊施設サステナビリティ強化支援事業」として、宿泊施設における省エネ型ボイラー、太陽光発電、省エネ型空調等の省エネ設備などの導入支援をおこなう。

オーバーツーリズムの防止・抑制を継続

「オーバーツーリズム対策等の受入環境整備」では、「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」を継続。また、受入環境整備として、人材不足対策も支援。人材確保の促進のほか、人材活用の高度化に向けた設備投資や外国人材の確保を進める。

合わせて、「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」も実施。高齢者等が気兼ねなく旅行に参加できる環境を整備し、ユニバーサルツーリズムを促進するために、観光施設や宿泊施設のバリアフリー化に必要な施設整備や設備導入などを支援する。

地方誘客では高価格帯商品の造成を集中支援

「地方誘客促進によるインバウンド拡大」では、「地方創生プレミアムインバウンドツアーの集中展開事業」として、高価格帯商品の造成を集中的に実施。特に貴重な観光資源の特別開放、地域産品や伝統工芸品などのモノ消費と一体となった特別体験、高単価商品の造成による多角化促進などに注力する。また、地域への経済波及効果の最大化に向けて、地域調達率の高いコンテンツ造成を支援する。

また、「地域観光魅力向上事業」として、地域資源を活用した収益性が高く独自性・新規性のある観光コンテンツの開発から、適切な販路開拓や情報発信の総合的な支援を実施する。

さらに、「地方における高付加価値なインバウンド観光地づくり」として、高付加価値旅行者の誘客に向けて、コンテンツなど発掘と磨き上げ、宿泊施設の誘致活動、ガイド・コンシェルジュなどの確保と育成を支援する。

能登半島地震からの復興計画作成を支援

「能登半島地震の観光再生支援」では、「能登半島地震からの復興に向けた観光再生支援事業」として、自治体、関係団体や個別事業者が一体となった復旧・復興計画の作成、復旧後の誘客促進を図るためのコンテンツ造成、情報発信、宿泊施設の収益力向上などを支援する。

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