宿泊予約管理トリプラが東証グロース市場に上場、海外進出でさらなる成長狙う、宿泊施設向けサービスを続々開発へ

宿泊施設向けの予約エンジンやAIチャットボットを提供する「トリプラ(tripla)」が2022年11月25日、東京証券取引所グロース市場に上場した。グロース市場は、高い成長可能性を有する企業向けの市場。初値は1620円で公開価格800円の2倍を超え、記者会見でtripla代表取締役CEOの高橋和久氏が「多くの株主の期待に沿えるように事業を展開していきたい」と語った。IPOを機にサービスの重層化や中長期的に海外展開を推進することで、さらなる成長を狙う。

同社は、2015年4月の設立。「イノベーションで顧客を感動させる」のミッションのもと、宿泊施設に公式サイト予約システム「tripla Book」、AIチャットボットシステム「tripla Bot」などのサービスを提供している。2021年10月期第3四半期の取扱高は208億円、営業収益は約5.5億円。契約数施設数は1952施設、販売可能客室数14.3万室。宿泊業界を中心とした観光関連に特化したサービスを展開している。

会見では、IPO後の成長戦略について髙橋CEOが2つの柱を説明した。ひとつめは、現在開発を進める新サービスを既存の予約システムやCRM(顧客管理システム)などと接続して重層化。予約を起点とした宿泊施設の一貫した支援でエコシステムを構築する考えだ。開発を進めている新たなサービスは、宿泊施設がノーコードで公式サイトを制作・運営できる「Page」、客室在庫を一元管理してダブルブッキングを防ぐ「Channel」、最適価格を提案してレベニューマネジメントを実現するBIツール「Analytics」がある。

もうひとつの成長のドライバーとするのは、海外での展開。2020年1月に同社は台湾に進出を果たしているが、中長期的にはアジア太平洋地域の各国への進出を計画している。各地域で主流となる決済システムやPMSとの連携、多言語化など海外展開で必須となる対応への準備を進めていく方針だ。世界の宿泊市場規模166兆円から、同社が対象とするサービス規模を9兆円と想定し、コロナ後に急回復をみせる観光市場でさらなる成長を目指す。 

右:tripla代表取締役CEO 高橋和久氏/左:代表取締役CTO 鳥生格氏(画像提供:tripla)画像提供:tripla

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