沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)は2021年9月30日、10月1日から緊急事態宣言が沖縄県をはじめ全面解除されるのを受け、離島、NHK朝ドラ関連をはじめ、新たなプロモーションに取り組むと発表した。
コロナ禍で課題となっているレンタカー不足への対応、3蜜回避や車以外の手段での旅の楽しみ方を提案するほか、離島に対しては「With コロナ×旅×SDGs」を意識した特集コンテンツ「コンシャストリップ」を沖縄離島専門の観光情報サイト「リトハク」で11月に公開する。OCVBの下地芳郎会長は、「10月1日から新ステージが始まるが、すぐに戻ることは望めない。感染対策徹底はもちろん、修学旅行をはじめ、時期、場所を分散して誘客するなどさまざまな策を講じていきたい」などと話した。
また、2022年4月から始まるNHK朝の連続テレビ小説『ちむどんどん』の主要舞台が沖縄であることに向け、NHKとも連携しながら観光プロモーションコンテンツ拡充を図る。
国際線再開は検疫体制の確立がカギに
また、まだ見通しが立っていないインバウンドについては、今年7月、過去就航した航空会社18社と就航に興味を示した5社の計23社を対象にアンケート調査を実施した。このうち、20社から回答を得たところ、那覇路線の重要度が高い航空会社は12社で、那覇空港再開から6カ月以内の運航ニーズのある航空会社は8社だった。
ただし、旅客制限があっても開始したいかの質問では、56%が「はい」と回答しているものの、検疫の条件緩和や収益性が再開決定ベースとなり、就航地における需要喚起や旅客制限の緩和が重要になっている。那覇空港は十分な検疫スペースがないのが課題で、OCVBは「県内の新型コロナ感染者数を抑え、那覇空港国際線再開の第一歩は検疫体制の確立」として、国土交通省、出入国在留管理庁、那覇空港ビルディングなど関係団体との意見交換を進める方針だ。
9月の観光客は21万人
さらに、9月の入域観光客数が2019年同月比74%減の21万人との見通しを公表。2020年同月比でも7%減にとどまり、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による緊急事態宣言再延長が響いた。
航空各社や県内主要ホテルへの聞き取りでは、搭乗率、稼働率がそれぞれ2019年同月比で3割台と依然として厳しい状況だった。OVCBも9月末の緊急事態宣言解除を目指し、シルバーウイーク期間については、沖縄観光情報ウェブサイト「おきなわ物語」初のモノクロで情報発信するなど来訪の自粛を呼びかけた。
ただし、宮古島、石垣島といった離島はホテルの稼働率が50%強と、本島に比べ人が動いた。OCVBは「中型機の運航が継続されたのに加え、まだ環境が整っているとまでは言えないが、自然豊かな場所でワーケーションをしたいというニーズが高まりつつあるのではないか」などと分析している。