JTBは、2023年の旅行動向見通しをまとめた。海外旅行および訪日外国人旅行の見通しの発表は3年ぶり。
国内旅行者数は、前年比108.6%の2億6600万人(2019年比91.2%)と予想。平均消費額は、物価上昇の影響を受けて4万300円(前年比101.5%)、国内旅行消費額は10兆7200億円(前年比110.2%)と推計した。平均消費額は2000年以降で最高額となる。JTBでは、円安や燃油費高騰の影響を受けて海外旅行から国内旅行へのシフトも期待されるものの、物価高に伴う景況感は厳しい状況が続くとしている。
海外旅行者数は、前年比289.7%の840万人(2019年比40.4%)と推計。平均消費額は円安と燃油費高騰の影響を受けて、29万4900円(前年比101.8%)、海外旅行消費額は2兆4800億円(前年比295.2%)と見込む。一人あたりの平均消費額は2000年以降で最高額となる一方で、海外旅行の回復は訪日客とは対照的に緩慢な伸びを予想する。
訪日外国人数は、前年比550.6%の2110万人(2019年比66.2%)と推計した。韓国、タイ、シンガポールなどからの訪日客の急回復が期待できる一方、中国からの訪日需要は23年7月以降に回復が本格化し、その後、急回復すると想定する。
2023年の旅行市場の環境は
2023年は、3連休以上が前年の9回から7回に減るものの、ゴールデンウィークは5月3日から7日までの5連休。5月1日と2日を休めば4月29日から5月7日まで9連休となる。
また、2023年は大型スポーツ大会が国内外で開催される。3月8日~21日には「WORLD BASEBALL CLASSIC(WBC)」、7月14日~30日には福岡で「世界水泳選手権」、9月8日~10月28日にはフランスで「ラグビーワールドカップ2023」が開催される。さらに、国内大型イベントでは、4月15日~2024年3月31日まで、東京ディズニーリゾートの40周年を記念したアニバーサリーイベントが開催される。
商業施設では、3月10日に「東京ミッドタウン八重洲」、4月には「東急歌舞伎町タワー」がオープン。夏には「ワーナーブラザーススタジオツアー東京-メイキング・オブ・ハリーポッタ―」が、としまえん跡地にて開業予定。
これらの商業施設内を含め、各地で高級ホテルの続々開業する。東京・八重洲に国内初となる「ブルガリホテル東京」、虎ノ門・麻布台プロジェクトのもとに「アマンレジデンス東京」と、アマンの姉妹ブランドの「ジャヌ東京」、秋には横浜みなとみらい地区に約2万人収容の「Kアリーナ横浜」とともに施設内に「ヒルトン横浜」が入居する予定。
大阪にはIHGホテルズ&リゾーツのプレミアムホテルブランドの「voco大阪セントラル」、奈良に吉城園周辺地区保存管理・活用事業と連携した「紫翠ラグジュアリーコレクションホテル奈良」、京都でタイの高級ホテルブランドである「デュシタニ京都」が開業する。